搬入計画は図面段階で|大型天板を入れるために
2026.10.31
店舗案件で、最も痛い失敗は何か。
材が現場に入らないことです。
樹種も寸法も納まりも詰めて、加工も終わった。そして搬入当日、曲がり角で止まる。加工済みの一枚板は、返品できません。
この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、搬入計画の立て方を整理します。

図面段階で決める
搬入計画は、施工直前に考えるものではありません。
なぜなら、搬入できるかどうかが、一枚物にするか継ぐかの判断を左右するからです。
順序はこうです。
- 必要な長さ・幅を出す
- 搬入経路を実測する
- 入る寸法かを判定する
- 入らなければ、継ぎの位置を設計に織り込む
- そのうえで材を確定する
4番を飛ばして材を発注すると、取り返しがつきません。
測るべき7つの寸法
1. 建物の入口
- 扉の有効開口(枠の内側から内側)の幅と高さ
- 自動ドアの場合、開き幅
- 扉を外せるか(外せると数センチ稼げます)
2. 廊下・通路の幅
直線部分の幅だけでなく、最も狭い箇所を測ってください。消火器、配管、掲示板が出っ張っていることがあります。
3. 曲がり角
ここが最大の関門です。
長い板を直角に曲げるには、曲がる前後の通路幅が効いてきます。板が長いほど、広い幅が必要になります。
測るのは、
- 曲がる前の通路幅
- 曲がった先の通路幅
- 角の形状(面取りされているか、直角か)
4. 天井高
これが救いになることがあります。
板を立てて回せるなら、水平では曲がれない角も通せます。
- 廊下の天井高
- 曲がり角の天井高(梁や配管が下がっていないか)
- 照明器具、スプリンクラーの出っ張り
5. 階段
- 階段の幅(手すりの内側)
- 踊り場の広さ(ここで方向転換します)
- 階段上の天井までの高さ
- 段数と踊り場の数
6. エレベーター
- 扉の開口幅
- かご内の奥行・幅・高さ
- 天井のメンテナンス用開口が開くか(長尺物はここから突き出せる場合があります)
- 積載重量
7. 店舗の入口と室内
- テナント区画の入口
- 室内の柱、下がり天井
- 設置位置までの経路

梱包分の余裕を見る
実測値そのままでは足りません。
- 梱包材の厚み
- 作業者の手が入る余地
- 持ち上げ・回転の余裕
実測値に対して、最低でも5cm、できれば10cm程度の余裕を見てください。
また、搬入で効くのは天板の最大幅です。一枚板は耳のうねりで幅が一定ではありません。カタログに「幅80〜95cm」とあれば、通すべきは95cmのほうです。
入らない場合の選択肢
1. 継ぐ
継ぎ目の位置を設計に織り込みます。席の区切り、柱、段差に合わせると自然に納まります。
2. 吊り上げ・窓からの搬入
階数が低く、開口が取れる場合の選択肢です。
- 窓・サッシを外せるか
- クレーンやユニックを設置できる道路条件か
- 道路使用許可が必要になることがあります
- 近隣への周知
費用は相応にかかります。見積もりに含めておいてください。
3. 内装工事の順序を変える
壁ができる前に天板を入れる。
三方を壁に囲まれる納まりでは、この方法が有効です。ただし、その後の工事で天板を傷めないよう、厳重な養生が必要になります。
4. 寸法を見直す
厳しい条件なら、そもそもの寸法計画を変えることも選択肢です。

ビル側の確認事項
賃貸のテナントでは、建物側の制約があります。
- 搬入可能な時間帯(早朝・深夜のみ、というビルもあります)
- 搬入口・荷物用エレベーターの使用申請
- 共用部の養生要件
- 管理会社への事前申請の期限
- エレベーターの積載重量
- 駐車・荷捌きスペース
申請に数日から数週間かかることがあります。スケジュールに組み込んでください。
重量と人数
搬入は人力です。重量を把握しておいてください。
| 天板の例 | おおよその重量 |
|---|---|
| 奥行60cm×長さ3m×厚6cm(ケヤキ) | 約65〜76kg |
| 奥行70cm×長さ4m×厚7cm(ケヤキ) | 約118〜137kg |
| 奥行90cm×長さ4m×厚8cm(ケヤキ) | 約173〜202kg |
| 重さ | 目安の人数 |
|---|---|
| 〜60kg | 2〜3人 |
| 60〜100kg | 3〜4人 |
| 100kg以上 | 4人以上+機材 |
階段がある場合は、さらに人数が必要です。
当日の準備
- 搬入経路の荷物をすべてどける
- 床・壁・角の養生
- 設置位置を先に決めておく(重量物は置いてから動かせません)
- 人手の確保
- 天候の確認(雨天時の養生)
弊社の対応
- 最長4m程度までの大型商品をお取り扱いしています
- 大型商品は、お受け取り希望日を確認したうえで手配しています
- 熊本県および九州圏内であれば、加工した商品を店舗へ納品できる場合があります
- 送料は商品サイズとお届け先により異なります
搬入経路に不安がある場合は、購入前にご相談ください。測った寸法をお知らせいただければ、その寸法で通せるかを一緒に検討します。
まとめ
- 搬入計画は図面段階で。一枚物か継ぎかの判断を左右する
- 測るのは入口・通路・曲がり角・天井高・階段・エレベーター・室内の7か所
- 曲がり角が最大の関門。天井高があれば立てて回せる
- 実測値に5〜10cmの余裕を見る。搬入は最大幅で効く
- 入らないときは継ぐ/吊り上げ/工事順序の変更/寸法見直し
- ビル側の申請と時間帯制限をスケジュールに組み込む
- 加工済みの材は返品できない。搬入判定は発注前に
搬入についてのご相談を承っています。測った寸法をお送りください。
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