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株式会社竹組

〒8610136 熊本県熊本市北区植木町岩野48-1
業時間:10:00~17:00(土日祝定休)

木六竹八

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ホーム / COLUMN / リピートを生む店内環境|手触りという体験

リピートを生む店内環境|手触りという体験

2026.11.07

リピートを生む店内環境|手触りという体験

なぜ、あの店にまた行きたくなるのか。

料理が美味しいから。それは大前提です。しかし、同じくらい美味しい店は他にもあります。

差がつくのは、言葉にならない部分です。この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、素材が果たす役割を整理します。

架台に載せた一枚板の天板|木六竹八

手が触れているものは、意識されない

客は、天板を意識して触っているわけではありません。

しかし、食事のあいだずっと、手首と前腕は天板に触れています。肘を置き、体重をわずかに預けている。

この接触が心地よいか、そうでないか。客は理由を言語化しませんが、体は感じています。

木が持つ温熱特性

無垢の木は、熱を奪いにくい素材です。

金属やガラス、石に触れると冷たく感じます。これは素材が体温を奪うからです。木は、この奪い方が緩やかです。

冬に触れても冷たくない。これは体感として明確な差です。

とくに針葉樹(杉、ヒノキ)は密度が低く、この性質が強い。カウンターに長く座る業態では、これが効きます。

塗装が質感を左右する

ただし、塗膜が厚いと、この感触は薄れます。

業務用途ではウレタン仕上げを推奨していますが、

  • オープンポア仕上げ(導管を埋めない)にすると、木肌の凹凸が残る
  • ツヤ消しにすると、樹脂的な光沢が抑えられる

耐久性を確保しつつ、質感を残す。この調整は指定可能です。

やわらかな曲線を描く木目|木六竹八

音という要素

見落とされがちですが、器を置く音も体験の一部です。

  • 硬く密度の高い木(ケヤキ):置いたときに硬く、締まった音が出る
  • やわらかい木(杉、桐):音を吸う。柔らかい印象
  • 石やガラス:硬く高い音

どちらが良いということはありません。ただ、店の性格に合っているかは考える価値があります。

静かな割烹で、器を置くたびに硬い音が響くのがよいのか。賑やかな居酒屋で、音が吸われるのがよいのか。

カウンター越しの店では、この差が空気をつくります。

香りという要素

木は香りを持ちます。

  • クスノキ:樟脳の清涼感ある香り。個性が強い
  • ヒノキ:清冽で穏やか。「木の香り」として認識されやすい
  • ヒバ:強く独特
  • 杉:やわらかく甘みのある香り
  • ケヤキ、桑、朴、桂:香りは穏やか

ただし、料理の香りと競合する可能性があります。日本料理や寿司のように繊細な香りを扱う業態では、慎重な判断が必要です。

一方、ロビー、ラウンジ、待合のように料理から離れた場所では、香りは大きな魅力になります。

なお、ウレタン塗装をすると香りは大きく抑えられます。

「落ち着く」の正体

客が「落ち着く店」と言うとき、何が起きているのか。

明確な答えはありませんが、要素としては、

  • 視界に情報量のある自然物がある(木目、杢)
  • 触れているものが冷たくない
  • 反射がまぶしくない(ツヤ消し)
  • 音が硬すぎない
  • 空間の質が一貫している

一つひとつは小さな差です。しかし、1〜2時間の滞在では、積み重なります。

波打つように見える縮み杢|木六竹八

滞在時間と単価

素材が直接、売上を上げるわけではありません。しかし、間接的な経路はあります。

滞在が長くなる

居心地がよければ、客は長く留まります。

  • もう一杯注文する
  • デザートを頼む
  • 追加の一品を頼む

回転型の店では逆効果になりえますが、単価型の店では売上に直結します。

自店がどちらかを、先に決めてください。

再訪の理由になる

「あの店、落ち着くんだよね」

この一言が出る店は、強い。理由が説明できないぶん、他店に真似されません。

経年が味方になる

もう一つ、重要な点があります。

多くの内装は、開店日がピークです。そこから劣化していく。

一枚板は逆です。

  • ケヤキは飴色へ
  • 栗は渋みのある茶褐色へ
  • 桑は黄金色から濃い褐色へ

常連客は、この変化を一緒に見ています。

「昔はもっと明るい色だった」という記憶が、店との関係を深めます。時間が、店の資産になる。

実務としてできること

1. 手が触れる場所に、本物を使う

壁や天井を認定材で抑え、触れる場所に無垢材を置く。これは法規上も合理的な構成です。

2. 質感を残す仕上げを指定する

ツヤ消し、オープンポア。耐久性と質感のバランスを、仕様として指定してください。

3. 素材を語れるようにする

スタッフが一文で言えるようにする。

「このカウンターは、熊本の菊池水源で育った樹齢200年のケヤキです」

知っていることが伝わると、客の見方が変わります。

4. 経年を隠さない

傷や色の変化を、劣化として扱わない。「使い込んだ証」として語る。

まとめ

  • 客は天板を意識しないが、体は感じている
  • 木は熱を奪いにくい。冬に冷たくない
  • 塗装の指定(ツヤ消し・オープンポア)で質感を残せる
  • 音と香りも体験の一部。業態によって判断が分かれる
  • 居心地は滞在時間を通じて単価に影響しうる
  • 経年変化を常連客と共有することが、関係を深める
  • 実務は触れる場所に本物を/質感を残す指定/語れるようにする/経年を隠さない

素材の質感についてのご相談を承っています。実物に触れていただくのが最も確実ですので、見学もご検討ください。

▶ 一枚板・天板の商品一覧を見る

▶ 見学のご相談はこちら

あわせて読みたい:業務用途の塗装仕様|ウレタンをどう指定するか

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