一枚板カウンターの費用対効果|年あたりで考える
2026.11.07
「一枚板は高い」
この判断は、どの物差しで測るかによって変わります。
この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、投資判断のための計算の枠組みを整理します。
なお、以下の数値はすべて考え方を示すための例示です。実際の費用・効果は個別の条件によって大きく変わります。投資判断は、ご自身の事業計画と、税理士等の専門家の助言に基づいて行ってください。

物差し1|年あたりのコスト
初期費用を、使用年数で割ります。
例示
| 項目 | 一般的な内装材 | 一枚板 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 15万円 | 50万円 |
| 想定使用年数 | 7年 | 25年 |
| 年あたり | 約2.1万円 | 年2万円 |
| 更新時の撤去費 | 発生 | 削り直しで再生 |
| 25年後の状態 | 3〜4回更新済み | 色が深まっている |
| 退去時 | 撤去費用 | 持ち出せる(独立家具なら) |
年あたりで見ると、差は小さくなります。
そして一枚板は、
- 傷んでも削り直して仕上げ直せる(一回1〜3mm、厚み50mmなら計算上十数回)
- 経年で色が深まる
- 独立家具として設計すれば、退去時に持ち出せる
「消費する内装」か「保有する資産」か。この違いが、年あたりの計算に表れます。
物差し2|席あたりのコスト
カウンターの費用を、席数で割ります。
例示
| カウンター費用 | 席数 | 席あたり |
|---|---|---|
| 50万円 | 8席 | 6.25万円 |
| 50万円 | 12席 | 約4.2万円 |
| 100万円 | 8席 | 12.5万円 |
これを、年あたりにさらに割ります。
50万円 ÷ 8席 ÷ 25年 = 1席あたり年2,500円
1席が年間に生む売上と比べてみてください。この物差しで見ると、印象が変わることがあります。

物差し3|更新頻度と休業
見落とされやすいコストです。
内装材の更新には、費用以外のコストが伴います。
- 休業期間(その間の売上がゼロ)
- 予約の断り
- 常連客への告知
- 工事の立ち会い
一枚板は、この頻度が下がります。
削り直しも休業が必要ですが、数年から十数年に一度です。硬い樹種(ケヤキ、クリ)なら、さらに間隔が空きます。
「何回更新するか」を計算に入れてください。
数字にならない価値
ここからは、定量化が難しい領域です。だからといって、存在しないわけではありません。
写真に写る
客が撮った写真が、そのままSNSに流れます。既製品のカウンターは撮られません。
広告費に換算すればいくらか、という計算はできません。しかし、効果がないとは言えません。
席の指名が生まれる
「あのカウンターに座りたい」という指名。予約の理由になります。
価格への納得をつくる
高単価の店では、価格の根拠が求められます。空間の質は、その根拠の一つです。
会話が生まれる
「この木は何ですか」と聞かれる。樹種、樹齢、産地の話ができる。接客の資源になります。
経年で良くなる
多くの内装は、初日がピークです。一枚板は、十年後のほうが美しい。

判断を誤りやすい3つの点
1. 初期費用だけで比べる
最も多い誤りです。年あたり、更新頻度、撤去費用、退去時の扱いを含めて比べてください。
2. 全席を一枚板にしようとする
部分使いで十分効きます。
- カウンターだけ
- 入口正面・レジまわりだけ
- 窓際の一席だけ
弊社の取り扱いには15万円台の材もあります。予算に応じた導入が可能です。
3. 「高い材ほど効果が大きい」と考える
そうとは限りません。
樹齢1400年の杉と、樹齢100年のケヤキ。価格は大きく違いますが、客が受ける印象の差は、価格差ほどではないこともあります。
業態と客層に対して、過不足のない材を選ぶ。これが合理的です。
会計上の扱い
事業用資産としての扱いは、設置形態・金額・事業者の状況によって変わります。
- 器具備品として扱うか、建物附属設備として扱うか
- 金額による特例制度の適用可否
- 賃借物件の造作としての扱い
具体的な判断は、必ず税理士等の専門家にご確認ください。弊社は税務の専門家ではありません。
検討の進め方
- 総予算を決める
- どこに集中投下するかを決める(カウンター/入口/一席のみ)
- その範囲で選べる材を確認する
- 年あたり・席あたりで計算してみる
- 数字にならない価値を、自店の戦略に照らして判断する
「予算内で何が選べますか」という聞き方で、まったく問題ありません。ご予算をお伝えいただければ、その範囲でご案内します。
まとめ
- 年あたりで割ると、初期費用の差は縮まる
- 席あたり・年あたりまで割ると、印象が変わる
- 更新頻度と休業を計算に入れる
- 数字にならない価値(写真・指名・納得・会話・経年)も存在する
- 誤りやすいのは初期費用だけの比較/全席導入/高い材ほど良いという思い込み
- 部分使いで十分に効く。15万円台から
- 会計上の判断は税理士等の専門家へ
ご予算に応じた提案を承っています。総額と優先順位をお知らせください。
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