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株式会社竹組

〒8610136 熊本県熊本市北区植木町岩野48-1
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木六竹八

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ホーム / COLUMN / 天板厚と支点間距離|たわみを設計で抑える

天板厚と支点間距離|たわみを設計で抑える

2026.10.28

天板厚と支点間距離|たわみを設計で抑える

「この長さなら、厚みはどれくらい必要ですか」

設計者の方から最もよくいただく質問です。感覚で答えるべきではない領域なので、考え方を整理します。

この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、たわみを左右する要素を解説します。

なお、具体的な構造判断は設計者・構造設計者の業務です。弊社は木材の販売業者であり、構造計算を行う立場にはありません。以下は検討のための考え方としてご覧ください。

一枚板の小口。厚みと年輪が見える|木六竹八

効くのは「厚み」である

まず、最も重要な事実から。

板の曲げにくさは、断面二次モーメントという値で表されます。長方形断面の場合、これは幅 × 厚みの3乗 ÷ 12 に比例します。

つまり、

  • 幅を2倍にすると、曲げにくさは2倍
  • 厚みを2倍にすると、曲げにくさは8倍

厚みは3乗で効きます。

具体的に言うと

厚み相対的な曲げにくさ
3cm1
4cm約2.4倍
5cm約4.6倍
6cm約8倍
7cm約12.7倍

厚み3cmを5cmにするだけで、たわみにくさは4倍以上になります。

「厚くすると重くなるし高くなる」というのは事実ですが、たわみ対策としては、厚みを増すのが圧倒的に効率的です。

支点間距離も強く効く

一方、支点と支点のあいだの距離(スパン)も大きく効きます。

均等に荷重がかかる場合、たわみはスパンの4乗に比例するとされます。

スパン相対的なたわみ
1.0m1
1.5m約5倍
2.0m16倍
2.5m約39倍

スパンを1.5倍にすると、たわみは約5倍。これは想像以上の差です。

だから、中間支持は非常に有効

長さ3mのカウンターを、両端だけで支えるのと、中央にもう一点支持を入れるのとでは、たわみは劇的に変わります。

厚みを増やせない事情があるなら、支点を増やす。これが定石です。

変形した輪郭の一枚板|木六竹八

樹種によっても違う

木材の曲げにくさには、ヤング係数という材料固有の値が関わります。

一般に、密度の高い樹種ほどヤング係数も高い傾向があります。

樹種気乾比重の目安傾向
桐0.2〜0.3たわみやすい
杉0.4前後たわみやすい
ヒノキ0.4〜0.45中間
クスノキ0.5前後中間
栗0.55前後たわみにくい
ケヤキ0.6〜0.7たわみにくい

同じ寸法でも、杉とケヤキではたわみ方が違います。杉で長尺のカウンターを計画する場合は、厚みまたは支点で補ってください。

なお、木材は天然素材であり、同じ樹種でも個体差があります。数値はあくまで傾向としてお考えください。

許容たわみをどう考えるか

どこまでのたわみなら許容できるのか。

建築の構造部材には基準がありますが、家具としてのカウンターには明確な法定基準はありません。実務的には、

  • 目視で気にならないこと
  • 使用上の支障がないこと(水がたまる、器が滑るなど)
  • 長期的に戻らない変形(クリープ)が進行しないこと

が判断基準になります。

一般論として、スパンに対して1/300程度のたわみであれば、目視ではほとんど気づかれないとされます。スパン1.5mなら5mm程度です。

ただし、木材は長期間の荷重で徐々にたわみが進行する(クリープ)性質があります。初期のたわみが小さくても、数年後に増えることがあります。余裕を持った設計をおすすめします。

横に長い一枚板の天板|木六竹八

実務的な目安

明確な基準がない領域なので、私たちが経験的にお伝えしている目安を挙げます。

カウンター長さ厚みの目安支持の考え方
〜1.5m4cm以上両端支持で可
1.5〜2.5m5cm以上両端+必要に応じ中間
2.5〜4m6cm以上中間支持を推奨
4m以上6cm以上継ぎ+複数支持

これはあくまで目安です。樹種、幅、想定荷重、片持ちの有無によって変わります。条件が厳しい計画では、設計者に構造的な検討を依頼してください。

荷重の想定を忘れない

たわみ計算で見落とされがちなのが、荷重の想定です。

カウンターにかかるのは、天板の自重だけではありません。

  • 食器、グラス、ボトル
  • 調理機器、レジ、PC
  • 客が肘や体重をかける
  • スタッフが身を乗り出す
  • 清掃時に人が乗ることもある

とくに最後の点。「人が乗る可能性」を見込んでおくと安全側になります。実際、電球交換や清掃でカウンターに上がることは起こります。

片持ちは別の話

客席側に天板を張り出させる片持ち(カンチレバー)は、両端支持とは計算が異なります。

  • 先端に荷重がかかると、支持部に大きな曲げが集中する
  • たわみは張り出し長さの4乗に比例する(先端集中荷重なら3乗)

大きな張り出しを計画する場合は、必ず構造的に検討してください。「見た目は軽やかだが、肘をつくと沈む」カウンターは設計の失敗です。

決める順序

  1. カウンターの長さと配置を決める
  2. 支持できる位置を洗い出す(客席の足元、動線、下地の位置)
  3. スパンを算出する
  4. 樹種を仮決めする
  5. 厚みを決める(スパンと樹種から)
  6. 必要なら中間支持を追加する
  7. その寸法の材が存在するかを確認する

7番目が重要です。厚み7cm、幅80cm、長さ4mという材が、いつでもあるわけではありません。早い段階でご相談ください。

まとめ

  • たわみは厚みの3乗に反比例する。厚みを増すのが最も効率的
  • スパンの4乗に比例する。中間支持は劇的に効く
  • 樹種でも差が出る。杉は厚みか支点で補う
  • 長期のクリープを見込み、余裕を持たせる
  • 荷重には人が乗る可能性も含める
  • 片持ちは別途の検討が必要
  • 厚みが決まったら、その材が存在するか確認する

寸法と樹種の組み合わせについて、木材の側からご相談に応じます。ご検討中のスパンと樹種をお知らせください。

▶ 一枚板・天板の商品一覧を見る

▶ 設計者の方のご相談はこちら

あわせて読みたい:一枚板カウンターの支持方法|下地と金物の考え方

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