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株式会社竹組

〒8610136 熊本県熊本市北区植木町岩野48-1
業時間:10:00~17:00(土日祝定休)

木六竹八

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ホーム / COLUMN / 耐水・耐熱の考え方|水場と熱源のそばで木を使う

耐水・耐熱の考え方|水場と熱源のそばで木を使う

2026.11.03

耐水・耐熱の考え方|水場と熱源のそばで木を使う

飲食店の天板には、水がこぼれ、熱い器が置かれます。

「塗装してあるから大丈夫」。この理解は、半分正しく、半分危険です。

この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、耐水性・耐熱性の限界を整理します。

一枚板の小口。厚みと年輪が見える|木六竹八

塗膜がしていること

ウレタン塗装は、木の表面に連続した膜を作ります。

  • 水分が木に染み込むのを防ぐ
  • 汚れが木に入るのを防ぐ
  • 摩耗から木を守る

重要なのは「連続している」ことです。膜が切れている場所からは、水が入ります。

弱点1|木口

最大の弱点は、木口(こぐち)です。

木口とは、繊維を切断した断面。短辺の面や、開口の内周がこれにあたります。

木口は、水分がもっとも早く出入りする場所です。ストローの断面を想像してください。繊維方向に開いた導管が露出しています。

さらに、木口は塗料を吸い込みやすく、塗膜が薄くなりがちです。

だから

  • 木口は塗装を多めに重ねる
  • 開口(シンク、配線孔)の内周は、特に念入りに
  • 発注時に「小口も塗装する」ことを明記する

弱点2|傷

塗膜に深い傷が入ると、そこから水が入ります。

  • 表面からは見えにくい
  • 内部で水が滞留する
  • 気づいたときには変色や腐朽が進んでいる

だから

  • 定期的に塗膜の状態を点検する
  • 深い傷は早めに補修する
  • 研磨剤入りクリーナーやメラミンスポンジを使わない(塗膜を削ります)
一枚板に残る節穴|木六竹八

弱点3|継続的な濡れ

一時的にこぼれるのと、毎日繰り返し濡れるのとでは、まったく話が違います。

塗膜は水を弾きますが、完全に遮断するわけではありません。長時間、繰り返し濡れる環境では、少しずつ水分が入ります。

だから

  • シンク周囲は別素材にするのが第一の推奨
  • 水がかかる範囲には木を使わない
  • こぼれたらすぐ拭く運用にする

熱の限界

塗膜は熱に弱い

ウレタン塗膜は、一定以上の温度で白濁・変色します。

熱い鍋、やかん、土鍋、鉄板。直接置けば、跡が残ります。

「塗装してあるから熱に強い」というのは誤解です。塗膜はむしろ、無塗装の木より熱に弱い面があります。

だから

  • 鍋敷き・受け台の運用は必須
  • スタッフ全員に周知する
  • 業態によっては、熱い器を置く位置だけ別素材にする

輻射熱

直接置かなくても、近くに熱源があるだけで影響します。

  • 局所的に乾燥が進む
  • 木が縮み、割れや反りが生じる
  • 塗膜が劣化する

うなぎ屋の焼き場、天ぷらの揚げ場、鉄板。これらの対策は、距離・縁取り・断熱・排気の4点です。

横に長い一枚板の天板|木六竹八

最も厳しいのは「複合条件」

水と熱が同時に来る環境が、木にとって最悪です。

  • 天ぷら店:油の飛散+輻射熱+蒸気
  • 鉄板焼き:熱+水(清掃)+油
  • 厨房まわり:熱+蒸気+洗浄

乾く/湿るを繰り返す環境では、木は常に動き続けます。これが割れと反りを招きます。

だから

これらの環境では、

  1. 木を使う範囲を限定する
  2. 熱源・水場の周囲は別素材にする
  3. 天板下の通気を確保し、上下差を作らない
  4. 確実な排気を設計する

「木を使う場所を限定することで、木の良さは損なわずにリスクを下げられます。」これは妥協ではなく、素材の適材適所です。

樹種による差

塗装をすれば差は小さくなりますが、まったくないわけではありません。

  • 栗:タンニンを多く含み、水湿に強い。枕木や土台に使われてきた
  • ヒバ:抗菌性が高く、水回りに使われてきた
  • ヒノキ:風呂に使われてきた耐水性
  • ケヤキ:木肌が緻密。熱と油の環境に相対的に強い

一方、やわらかく色の淡い樹種(杉、桐)は、水と熱の環境では扱いが難しくなります。

点検の習慣

年に一度、次を確認してください。

  1. 塗膜の白濁、剥がれ、傷
  2. 木口・開口周囲の状態
  3. 水がかかる範囲の変色、膨れ
  4. シーリングの劣化
  5. 木部が柔らかくなっていないか(腐朽のサイン)

早期に見つければ、部分補修で済みます。そして一枚板は、厚みが許すかぎり削り直して仕上げ直せます。

設計時のチェックリスト

  1. 水がかかる範囲を図面上で特定したか
  2. その範囲を別素材にできないか検討したか
  3. 熱源からの離隔距離は確保したか(機器仕様を確認)
  4. 小口と裏面の塗装を指定したか
  5. 天板下の通気は確保したか
  6. 排気計画は十分か
  7. 鍋敷き・受け台の運用ルールを決めたか

まとめ

  • 塗膜は連続している限り水と汚れを防ぐ
  • 弱点は木口・傷・継続的な濡れ
  • 小口は塗装を多めに重ねる。発注時に明記する
  • 塗膜は熱に弱い。鍋敷き・受け台は必須
  • 最も厳しいのは水と熱の複合条件
  • 水場・熱源の周囲は別素材にするのが第一の推奨
  • 年に一度の点検と、削り直しという最終手段

水まわり・熱源まわりの設計について、木材の側からご相談に応じます。図面をお送りください。

▶ 一枚板・天板の商品一覧を見る

▶ 設計のご相談はこちら

あわせて読みたい:シンク・埋め込み機器と木天板|水と切り欠きの設計

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