一枚板選びでよくある失敗5つと、その避け方
2026.10.16
一枚板を扱っていると、お客様の「しまった」という声を聞くことがあります。
多くは、知っていれば防げたことです。この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、実際によくある失敗を5つ挙げ、その避け方をお伝えします。

失敗1|最小幅を見落とす
もっとも多い失敗です。
一枚板は耳のうねりがあるため、幅が一定ではありません。カタログに「幅80〜95cm」とあれば、使い勝手を決めるのは80cmのほうです。
95cmという数字を見て「十分な広さだ」と思い込み、届いてから「思ったより狭い」となる。これが実際に起きています。
避け方
- 必ず最小幅を確認する。表記が一つの数字だけなら、「最小幅は何mmですか」と聞く
- 図面に最小幅で四角を描いてみる
- 見学時は、自分のメジャーで測る
失敗2|搬入経路を確認しない
部屋に入らなかった。これは実際に起こります。
一枚板は、思っている以上に大きく、重い。しかも、搬入で効くのは最大幅です。使い勝手とは逆の数字を見なければなりません。
さらに梱包材の厚みが加わります。実測値に+5cm程度の余裕を見ておく必要があります。
避け方
購入前に、次の5点を実測してください。
- 玄関ドアの有効開口(幅×高さ)
- 廊下の幅と、曲がり角の前後の幅
- 階段の幅と踊り場の広さ
- エレベーターの扉開口・かご内寸・かご高さ
- 設置する床の耐荷重
この数字をメモにして、ご相談時にお持ちいただけると確実です。

失敗3|乾燥不足の材を買ってしまう
見た目では分かりません。だから起こります。
乾燥が不十分な板をそのまま天板にすると、残りの動きをご自宅で起こすことになります。反りが出る、割れが進む。納品から半年、一年経ってから問題が表面化します。
避け方
購入前に、必ず次を確認してください。
- 何年乾燥させたか
- 自然乾燥か、人工乾燥か、併用か
- どこで保管されていたか
製材の世界では板厚1インチ(約2.5cm)につき1年が自然乾燥の目安といわれます。厚さ6cmの板なら2年以上。銘木として扱う材では、10年、20年とかけることも珍しくありません。
これらに明確に答えてもらえる相手から買う。これが最も確実なリスク対策です。
弊社が扱う材には、自然乾燥に20年以上かけたケヤキや、伐採後30年かけて乾かした杉があります。
失敗4|仕上げの選択を間違える
質感でオイルを選んだが、暮らし方に合わなかった。これもよくあります。
オイル仕上げは、手触りが木そのもので、木目や杢が濡れ色で美しく出ます。しかし、
- 水や汚れに弱い。輪染みになりやすい
- 年1〜2回の塗り直しが必要
- 熱に弱い
小さなお子さんがいるご家庭で、コースターを使う習慣がないまま導入すると、一年で輪染みだらけになります。
避け方
暮らし方から逆算してください。
| 状況 | 向く仕上げ |
|---|---|
| 手入れを楽しめる、丁寧に使える | オイル |
| 小さな子どもがいる | ウレタン(ツヤ消し) |
| 店舗・業務で使う | ウレタン |
| 杢を最大限に見せたい | オイル |
迷ったら、ウレタンのほうが後悔は少ないというのが実感です。

失敗5|加工を頼んでから後悔する
加工をご依頼いただいた商品は、返品をお受けできません。
これはどの店でも共通するルールです。一枚板は一点もので、一度切れば元に戻せないからです。
それを知らずに、あるいは軽く考えて、カットや配線孔を依頼してしまう。そして届いてから「やはり違った」となる。
避け方
- 加工内容は、必ず事前に確認する
- 迷っている部分があれば、加工せずに受け取り、後から検討する
- 一度落とした耳は戻せない。迷ったらまず耳付きのまま
- 配線孔は塞げない。機器の配置を決めてから
- 法人の場合は、社内の決裁を取ってから確定する
「後から大きくすることはできないが、小さくすることはできる」。この原則を覚えておいてください。
おまけ|高さの計算を間違える
最後にもうひとつ。
天板上面の高さ = 脚の高さ + 天板の厚み
厚み3cmの天板から6cmの天板に替えれば、3cm高くなります。この3cmは、体感ではっきり分かります。
お使いの椅子の座面高に、差尺(食事なら27〜30cm)を足して天板高を決め、そこから天板厚を引いて脚の高さを出す。この順番で計算してください。
まとめ|買う前のチェックリスト
- 最小幅を確認したか
- 搬入経路5か所を実測したか
- 乾燥年数と方法を聞いたか
- 暮らし方に合う仕上げを選んだか
- 加工内容を確定させたか(返品不可を理解したか)
- 高さの計算をしたか
この6つを押さえれば、大きな失敗はまず起きません。
ご不明な点は、購入前に遠慮なくお尋ねください。聞かれることを面倒がる店からは、買わないほうがいいというのが、私たちの考えです。お問い合わせには3営業日以内を目安にご返答しています。
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