あさぎり町のヒノキ|樹齢百数十年という贅沢
2026.10.05
ヒノキは日本でもっとも広く植えられている樹種のひとつです。建材として、一般的な伐期は50年前後。
そのなかで樹齢百数十年のヒノキというのは、どういう存在なのか。この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、あさぎり町のヒノキについて書きます。

あさぎり町という土地
あさぎり町は、熊本県南部の球磨郡にあります。2003年に免田町、上村、岡原村、須恵村、深田村の5町村が合併して誕生した町です。
球磨盆地の一角にあり、周囲を山に囲まれています。町名の由来にもなっているとおり、朝霧の立つ土地です。
盆地特有の寒暖差と、朝夕の霧。この環境が、木をゆっくりと育てます。
百数十年という樹齢の意味
現代の林業では、ヒノキの伐期は50年前後が一般的です。建材として必要な太さに育ち、経済的にも合理的な年数です。
百数十年ということは、その倍以上の時間をかけたということです。
年輪が細かく詰まる
ゆっくり成長した木は、一年あたりの年輪幅が狭くなります。
針葉樹の場合、年輪が詰まっているほど密度が高くなる傾向があります。木がゆっくり成長すると、細胞壁の薄い早材の幅が狭くなり、細胞壁の厚い晩材の割合が相対的に高くなるためです。
つまり、年輪が細かいヒノキは、重く、硬く、強い。
木肌が緻密になる
密度が高いということは、木肌が緻密になるということでもあります。磨いたときの光沢が違います。
樹脂が沈着する
長い年月のあいだに、心材には樹脂などの成分が沈着します。これが色を深め、耐久性を高めます。

ヒノキという木の実力
あらためて、ヒノキの特徴を整理します。
圧倒的な保存性
現存する世界最古の木造建築である法隆寺は、ヒノキで建てられています。千年を超えて建ち続けているという事実が、この木の保存性を語っています。
香り
ヒノキの香りは、精油成分によるものです。
ここでひとつ誤解を整理しておきます。「ヒノキチオール」という成分は、日本のヒノキにはほとんど含まれていません。この成分は台湾ヒノキから発見されたもので、日本では青森ヒバ(ヒノキアスナロ)に多く含まれます。
日本のヒノキの香りは、別の成分によるものです。あの清冽で穏やかな香りは、日本のヒノキならではのものです。
肌ざわり
針葉樹なので密度が低く、熱を奪いにくい。冬に触れても冷たさを感じにくいのは、この性質によるものです。
ただし、樹齢を重ねて密度が高くなったヒノキは、若い材より硬くなります。あさぎり町のヒノキは、その中間にあると考えていただくとよいと思います。
弊社のあさぎり町ヒノキ
弊社では、あさぎり町産の樹齢百数十年のヒノキを扱っています。
球磨の山が、百数十年かけて育てた材です。若い植林材とはまったく異なる密度と落ち着きを持っています。
価格帯としては、弊社の取り扱いのなかでは比較的お求めやすい部類に入ります。「銘木を一度使ってみたい」という方の入口として、おすすめできる材です。

あさぎり町ヒノキの一枚板が向く用途
- ダイニングテーブル:明るく清潔感のある空間に
- 座卓・和室の設え:日本家屋との相性
- カウンター:香りが漂う空間づくりに
- デスク:手や肘の当たりがやわらかい
選ぶときの注意点
傷は入る
針葉樹であるヒノキは、広葉樹に比べれば軟らかい。硬いものを落とせば凹みます。樹齢を重ねた材は若い材より硬いですが、ケヤキのような硬さではありません。
使った年月が表情になると考えられるかが判断軸です。気になる場合はウレタン塗装で保護する方法があります。
水シミに注意
ヒノキは水に強い木ですが、無塗装やオイル仕上げの場合、水滴を放置すると染みになることがあります。コースターの使用をおすすめします。
まとめ
- あさぎり町は球磨盆地の朝霧が立つ土地
- 弊社が扱うのは樹齢百数十年のヒノキ。一般的な伐期の倍以上
- 針葉樹は年輪が詰まるほど密度が高くなる傾向
- ヒノキチオールは日本のヒノキにはほとんど含まれない(ヒバの成分)
- 比較的お求めやすく、銘木の入口としておすすめ
あさぎり町のヒノキについて、寸法や状態をご案内できます。お気軽にお問い合わせください。お問い合わせには3営業日以内を目安にご返答しています。
あわせて読みたい:檜(ヒノキ)の一枚板|香りと肌ざわりを楽しむ天板