木取りとは|丸太の挽き方で天板の表情が決まる
2026.09.29
一本の丸太から、どんな板を、どう取るか。これを決めるのが木取り(きどり)です。
同じ丸太でも、挽き方が変われば、まったく違う板になります。木目の出方も、反りやすさも、取れる枚数も。木取りは、その木の一生を決める判断です。
この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、木取りについて解説します。

木取りで何が決まるか
- 木目の見え方(板目か柾目か、杢が出るか)
- 反りやすさ・狂いやすさ
- 取れる板の枚数と寸法
- 価格
一本の丸太は一度しか挽けません。どう挽くかを間違えれば、取り返しがつかない。だから木取りには経験が要ります。
板目と柾目
もっとも基本的な区別がこれです。
板目(いため)
年輪の接線方向に挽いたときに現れる、山形や筍のような模様です。
- 見た目に動きがあり、表情が豊か
- 一本の丸太から効率よく取れる
- 幅方向の収縮が大きく、反りやすい
柾目(まさめ)
年輪に直交する方向に挽いたときに現れる、平行な直線の木目です。
- 端正で落ち着いた見た目
- 収縮が小さく、寸法が安定する
- 一本の丸太から取れる量が少なく、高価になる
| 項目 | 板目 | 柾目 |
|---|---|---|
| 模様 | 山形・筍形 | 平行な直線 |
| 表情 | 動きがある | 端正 |
| 安定性 | 動きやすい | 安定している |
| 歩留まり | 良い | 悪い(高価) |
一枚板の天板は、多くが板目です。幅を最大限に取ろうとすると、自然とそうなります。板目の動きのある表情こそが一枚板の魅力でもあります。

心持ち材と心去り材
もうひとつ重要なのが、丸太の芯(髄)を含むかどうかです。
心持ち材(しんもちざい)
丸太の中心を含む材です。中心付近は成長の初期にできた部分で、組織が不安定です。乾燥にともなって放射状の割れ(干割れ)が入りやすいという性質があります。
心去り材(しんさりざい)
中心を外して挽いた材です。割れのリスクが下がり、寸法も安定します。
天板として使う一枚板は、心去りで取られることが多いのはこのためです。太い丸太でなければ、幅のある心去り材は取れません。大径木が求められる理由のひとつがここにあります。
一枚板はどこから取られるか
幅の広い一枚板を取るには、丸太を芯を通る面で縦に大きく挽くことになります。
このとき、どの位置で挽くかによって、
- 耳のかたち
- 白太と赤身の割合
- 節や入り皮が表に出るか
- 杢が現れるか
が変わります。挽いてみるまで分からない部分も大きい。だから製材の瞬間は、いつでも緊張します。
杢は木取りでは作れない
よく誤解されますが、杢(もく)は木取りの工夫で出せるものではありません。
杢は、木の繊維がねじれたりうねったりして育ったときに生まれます。その木がそう育っていなければ、どう挽いても出ません。
木取りでできるのは、その木が持っている杢を、いちばんよく見える面に出すことです。

木取りと乾燥は一体
木取りが済んだら、次は乾燥です。
挽いた板は、桟を挟んで積み上げ、風を通しながら乾かします。製材の世界では板厚1インチ(約2.5cm)につき1年が自然乾燥の目安といわれます。
どの厚みで挽くかは、何年乾かすかを決めることでもあります。厚く挽けば迫力は出ますが、そのぶん待たなければなりません。
弊社が扱う材には、自然乾燥に20年以上かけたケヤキや、伐採後30年かけて乾かした杉があります。
木取りを知ると、板の見方が変わる
一枚板を見るとき、次のことを考えてみてください。
- この板は、丸太のどのあたりから取られたのか
- 芯は含んでいるか、外しているか
- 耳の形から、元の丸太の太さはどれくらいだったか
板の向こうに、立っていたときの木の姿が見えてきます。
まとめ
- 木取りとは丸太をどう挽くかを決めること
- 板目は表情豊か、柾目は端正で安定
- 天板用の一枚板は心去りで取ることが多い
- 杢は木取りでは作れない。その木が持っているものを出すだけ
- 木取りは乾燥年数を決める判断でもある
材の木取りや樹齢について、ご質問にお答えします。お気軽にお問い合わせください。お問い合わせには3営業日以内を目安にご返答しています。
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