カフェ・喫茶店の一枚板テーブル|回転率と素材の関係
2026.10.23
カフェの内装で素材を選ぶとき、最初に確認すべきことがあります。
その店は、回転させたいのか、滞在させたいのか。
この方針によって、素材の答えは変わります。この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、カフェ・喫茶店の一枚板について整理します。

回転型か、滞在型か
回転型(駅前、オフィス街、テイクアウト中心)
- 客単価は低めで、回数で稼ぐ
- 1日の使用回数が多く、摩耗が激しい
- 内装への投資回収は、集客力を通じて間接的に行われる
この場合、一枚板は席のすべてに使うのではなく、見せ場に集中投下するのが合理的です。
滞在型(郊外、観光地、高単価)
- 客単価が高く、滞在時間が長い
- 居心地そのものが商品
- 内装への投資が、直接的に単価と滞在時間に効く
この場合、一枚板は投資として成立します。長時間手を置く天板が木であることは、体感として明確に伝わります。
一枚板が最も効く使い方
大テーブル(コミュナルテーブル)
一枚板の魅力が最も生きるのが、大きな一枚をそのまま使う形です。
- 幅の広い材(クスノキ、紅椨など大径木が取れる樹種)
- 長さ2〜3mの一枚物
- 相席・作業席として機能する
「あのテーブルの店」として記憶される効果があります。既製品の大テーブルでは、この印象は生まれません。
カウンター席
窓際、あるいは厨房に面したカウンター。一人客の比率が高いカフェでは、最も使われる席です。
奥行30〜45cm程度の細長い材で成立するため、幅の広い高価な材が不要です。予算効率がよい選択です。
レジ周り・ディスプレイ台
客が必ず立ち止まる場所。小ぶりな材で効果が大きいため、最小予算で導入できます。

樹種と仕上げ
硬さを優先する
カフェは使用頻度が高い業態です。
- ケヤキ、クリ:硬く傷に強い。回転型でも耐える
- 桜:中間的な硬さ。緻密な木肌で、色が美しい
- 杉、ヒノキ:和の空気は出るが、傷は確実に入る
杉やヒノキを選ぶなら、傷を味として受け入れる方針を最初に決めてください。中途半端に「傷が気になる」状態が最も不幸です。
ツヤ消しウレタン
カフェではツヤ消しのウレタン仕上げを推奨します。
- コーヒー、紅茶の色素に強い
- 水滴の輪染みを防ぐ
- 日常は拭くだけ
- 光沢を抑えるため、天板の写り込みが少なく料理やドリンクの写真がきれいに撮れる
最後の点は、カフェにとって実利です。客が撮った写真が、そのまま広告になります。
汚れへの備え
カフェで想定すべき汚れは次のとおりです。
| 汚れ | 対処 |
|---|---|
| コーヒー・紅茶 | 塗膜があれば拭き取れる。すぐ拭く |
| ミルク・クリーム | 油分を含む。中性洗剤を薄めて |
| 水滴(グラスの結露) | コースター。塗膜で防ぐ |
| インク・ペン | 作業客が多い店では想定を |
| パソコンの熱 | 長時間の使用で局所的に温まる |
やってはいけないことも共有しておいてください。
- 研磨剤入りクリーナー、メラミンスポンジを使わない(塗膜を削ります)
- 重曹・アルカリ性洗剤は避ける(タンニンを含む樹種は黒ずむことがあります)
- アルコールは布に取ってから
予算を抑えた導入
全席を一枚板にする必要はありません。
弊社の取り扱いには15万円台の材もあります。カウンター天板や小ぶりなテーブルであれば、この価格帯で成立します。
現実的な順序は次のとおりです。
- レジ周り・ディスプレイ台(最小予算、最大露出)
- カウンター席(奥行が小さく済む)
- 窓際の一席、または大テーブル(象徴的な一点)
- 余力があれば全席へ

寸法の目安
| 席の種類 | 寸法 |
|---|---|
| 2名テーブル | 幅70〜80cm × 奥行60〜70cm |
| 4名テーブル | 幅120〜140cm × 奥行70〜80cm |
| 大テーブル(6〜8名) | 幅180〜250cm × 奥行80〜90cm |
| カウンター席 | 奥行30〜45cm |
| テーブル高さ | 70〜72cm(椅子座面高+差尺25〜30cm) |
ノートパソコンを使う客が多い店では、カウンター奥行を45cm以上、テーブル奥行を70cm以上確保しておくと快適です。
一枚板ならではの注意点
最小幅で判断する
一枚板は耳のうねりで幅が一定ではありません。カタログに「幅70〜85cm」とあれば、使い勝手を決めるのは70cmのほうです。
複数枚の統一は難しい
一枚板は一点ものです。同じ樹種で複数のテーブルを揃えても、色と木目は一枚ごとに違います。
これを「不揃い」と見るか「個性」と見るか。カフェではむしろ個性として歓迎されることが多いのですが、方針として決めておいてください。
まとめ
- まず回転型か滞在型かを決める。素材の答えが変わる
- 滞在型では、一枚板は投資として成立する
- 大テーブル・カウンター席・レジ周りが効く使い方
- 樹種は硬さで選ぶ。ケヤキ、クリ、桜
- ツヤ消しウレタン。写り込みが少なく、写真がきれいに撮れる
- 15万円台から部分導入が可能
- 複数枚の色・木目は揃わない。個性として扱う方針を決める
カフェ・喫茶店の案件のご相談を承っています。席構成とご予算をお知らせください。
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