一枚板の節と入り皮|欠点ではなく個性として読む
2026.10.03
一枚板の表面に、丸い模様や黒い筋が入っていることがあります。節(ふし)と入り皮(いりかわ)です。
これらを「傷物」と考えて避ける方もいらっしゃいます。しかし節も入り皮も、その木が生きてきた記録です。この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、節と入り皮の読み方を整理します。

節とは何か
節は、枝の跡です。
木は成長しながら枝を伸ばします。幹が太くなると、枝の付け根は幹の内部に取り込まれていきます。この取り込まれた枝が、板に挽いたときに丸い模様として現れる。これが節です。
枝のない木は存在しません。だから、節のない材というのは、枝の少ない部分だけを選んで取った材、ということになります。
生節と死節
節には性質の違いがあります。
生節(いきぶし)
木が生きているあいだ、枝も生きていたときにできる節です。幹の組織と枝の組織がつながっているため、周囲としっかり一体化しています。
抜け落ちることはなく、強度への影響も小さい。色が周囲と馴染んで見えるのが特徴です。
死節(しにぶし)
枝が枯れたあとに幹に取り込まれてできる節です。幹の組織とつながっていないため、乾燥すると縮んで緩み、抜けることがあります。
抜けた跡が節穴です。
抜け節・節穴
死節が抜けた穴です。貫通していることもあります。強度に影響する場合もあるため、位置と大きさによって扱いを決めます。
入り皮とは何か
入り皮は、木が樹皮を内部に巻き込んでしまったものです。
幹に傷がついたり、枝が折れたりしたとき、木はその部分を新しい組織で覆っていきます。このときに、古い樹皮が内部に閉じ込められることがあります。
板に挽くと、黒い筋や帯として現れます。
強度への影響は小さく、むしろ表情として評価されることが多い部分です。木が傷を負い、それを包み込んで生き続けた跡。そう読むと、見え方が変わります。

節や入り皮への手当て
埋め木
節穴や小さな欠けには、同じ木で作った木片を埋め込みます。木目の向きを合わせると、ほとんど目立たなくなります。
充填
大きな空洞には、樹脂を流し込んで埋める方法もあります。透明な樹脂を使えば、内部が見えたまま平面を確保できます。
あえて残す
貫通していない節穴や、表情として良い位置にあるものは、そのまま残すのが最善のこともあります。
どう扱うかは、位置と大きさと、お使いになる用途によって変わります。天板の中央にある大きな穴と、端の小さな穴では、対応が違って当然です。
節のある材をどう評価するか
位置を見る
同じ節でも、天板の中央にあるのか、端にあるのかで意味が違います。食器を置く場所に大きな節穴があると、実用上は気になります。
カットする位置を調整して、節を外すという選択肢もあります。
貫通しているかを確認する
貫通している節穴は、埋めるか充填するかの判断が必要です。そのままにすると、食べこぼしが落ちます。
価格に反映されているか
節や入り皮のある材は、その分価格が抑えられていることがあります。用途に支障がなければ、良い条件で手に入れるチャンスです。
節を「読む」
節の位置と大きさを見ると、その木がどう育ったかが見えてきます。
- 節が多い → 枝をたくさん伸ばしていた。日当たりの良い場所で育ったのかもしれない
- 節が少ない → 密な林のなかで、上へ上へと伸びた木かもしれない
- 節が一方向に偏る → 斜面や、片側から光が入る場所だったのかもしれない
板の向こうに、立っていたときの木の姿が見えてくる。これは一枚板を持つ楽しみのひとつです。

節のない材を求めると何が起こるか
節のまったくない一枚板を探すと、選択肢は極端に狭まります。そして価格も上がります。
私たちがおすすめしたいのは、節を避けるのではなく、節の位置を見て、自分の使い方に支障があるかを判断するという選び方です。そのほうが、良い一枚に出会える確率は確実に高くなります。
まとめ
- 節は枝の跡。生節は安定、死節は抜けることがある
- 入り皮は樹皮を内部に巻き込んだもの。表情として評価されることが多い
- 埋め木・充填・あえて残すという手当てがある
- 見るべきは有無ではなく、位置・大きさ・貫通の有無
- 節を読むと、その木の育ち方が見えてくる
節や入り皮の状態について、追加の写真をご用意できます。お気軽にお問い合わせください。お問い合わせには3営業日以内を目安にご返答しています。
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