木材の含水率とは|数字で見る乾燥の目安
2026.10.14
一枚板を選ぶとき、「乾燥年数」は必ず確認していただきたい項目です。
そしてもうひとつ、より直接的な指標があります。含水率です。この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、含水率という数字の意味を整理します。

含水率とは
含水率とは、木材に含まれる水分の量を、割合で表した数値です。
木材の分野で一般的に使われるのは、乾量基準含水率という考え方です。
含水率(%)= 水分の重量 ÷ 完全に乾かした木材の重量 × 100
分母が「完全に乾かした木材の重量」である点が重要です。このため、含水率が100%を超えることがあります。木材そのものより水のほうが重い、という状態です。
数字の目安
| 状態 | 含水率の目安 |
|---|---|
| 生材(伐ったばかり) | 50〜200%(樹種・部位による) |
| 繊維飽和点 | 約30% |
| 気乾状態(屋外で乾かした状態) | 15%前後 |
| 日本の一般的な室内で落ち着く値 | 10%前後 |
| 全乾(完全に乾かした状態) | 0% |
繊維飽和点という重要な境目
ここが、含水率を理解する鍵です。
木材の中の水分には、2種類あります。
1. 自由水
細胞の内腔(空洞)に、液体のまま存在する水です。
2. 結合水
細胞壁そのものに、結びついて存在する水です。
乾燥が進むと、まず自由水から抜けていきます。このあいだ、木材の寸法はほとんど変わりません。空洞から水が出ていくだけだからです。
自由水が抜けきったところが、繊維飽和点(含水率約30%)です。
ここから先が本番です。細胞壁から結合水が抜けはじめると、細胞壁そのものが縮みます。つまり、木材が収縮しはじめる。
だから「30%」が分かれ目
- 含水率30%以上:ほとんど縮まない
- 含水率30%未満:含水率が下がるほど縮む
反りや割れの話は、すべてこの30%より下の領域で起きています。

平衡含水率
木材は、周囲の温度と湿度に応じて、一定の含水率で落ち着きます。これを平衡含水率といいます。
日本の一般的な室内では、10%前後とされます。ただし、これは年間の平均的な話です。
- 冬の暖房期(湿度30〜40%):より低くなる
- 梅雨・夏(湿度60〜70%):より高くなる
この季節変動が、木が動く原因です。
収縮の大きさ
一般的な広葉樹の場合、含水率が1%変化すると、板目方向の寸法は0.2〜0.3%程度変化するとされます。
幅80cmの一枚板なら、含水率1%あたり1.6〜2.4mm程度。季節で5%動けば、1cm近い変化になります。
(樹種、木取り、塗装の有無によって実際の数値は変わります。考え方の目安としてご覧ください。)
なぜ「乾燥年数」を聞くのか
含水率は、機器で測れます。高周波式や電気抵抗式の含水率計があります。
しかし、表面の含水率が低くても、内部が高いことがあります。とくに厚い一枚板では、この差が出やすい。
だから私たちは、乾燥年数を重視します。
製材の世界では板厚1インチ(約2.5cm)につき1年が自然乾燥の目安といわれます。この年数をかけていれば、内部まで十分に乾いていると考えられます。
弊社が扱う材には、自然乾燥に20年以上かけたケヤキや、伐採後30年かけて乾かした杉があります。
天板として望ましい含水率
室内で使う天板であれば、室内環境と釣り合う水準まで乾いていることが望ましいということになります。
つまり、10%前後。ここまで乾いていれば、家に迎えたあとの動きは、季節変動の範囲に収まります。
逆に、含水率が20%、30%のまま天板にすると、残りの乾燥をお客様の家で起こすことになります。反りや割れのトラブルの多くは、ここに原因があります。

購入前に確認したいこと
- 何年乾燥させたか
- 自然乾燥か、人工乾燥か、併用か
- どこで保管されていたか(屋内か、風通しのある場所か)
- (可能であれば)含水率の実測値
これらに明確に答えてもらえる相手から買うこと。これが一枚板選びで最も確実なリスク対策です。
まとめ
- 含水率は水分の重量 ÷ 全乾重量 × 100
- 繊維飽和点(約30%)が収縮の分かれ目。それ以下で縮みはじめる
- 日本の室内で落ち着くのは10%前後
- 含水率1%の変化で、板目方向は0.2〜0.3%程度動く
- 表面の測定値だけでは不十分。乾燥年数が信頼できる指標
- 天板は10%前後まで乾いていることが望ましい
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