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株式会社竹組

〒8610136 熊本県熊本市北区植木町岩野48-1
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木六竹八

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ホーム / COLUMN / 天然記念物だった木が天板になるまで|文化財保護法と安全

天然記念物だった木が天板になるまで|文化財保護法と安全

2026.10.10

天然記念物だった木が天板になるまで|文化財保護法と安全

弊社が扱う材のなかに、かつて天然記念物だった木があります。

天然記念物は、本来伐ることのできない存在です。それがなぜ天板になっているのか。この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、その背景にある制度と判断について整理します。

朱塗りの鳥居と一枚板|木六竹八

天然記念物という制度

天然記念物は、文化財保護法に基づいて指定される文化財のひとつです。

動物、植物、地質鉱物などのうち、学術上価値が高く、日本の自然を記念するものが対象になります。巨木や名木は、この植物の部門で指定されることが多くあります。

指定には階層があります。

  • 国指定:文部科学大臣が指定。とくに価値の高いものは「特別天然記念物」
  • 都道府県指定:各都道府県の条例に基づく
  • 市町村指定:各市町村の条例に基づく

原則として、手を加えられない

天然記念物に指定されると、現状を変更することが原則として認められません。

伐採はもちろん、枝を落とすことにも、周囲の環境を変えることにも、許可が必要になります。国指定のものについては、文化庁長官の許可が要ります。

それだけ強く守られているということです。

では、なぜ伐られることがあるのか

例外は、限られています。

倒木の危険

樹齢を重ねた巨木は、内部に空洞ができたり、根が弱ったりします。

巨木の多くは、神社の境内や公園、道路沿いなど、人が近づく場所に立っています。倒れれば人命に関わります。

台風・落雷などの被害

九州は台風の通り道です。幹が裂ける、大枝が折れる、根返りする。そのままにできない状態になることがあります。

枯損

病害虫や環境の変化で、木が枯れてしまうことがあります。

判断はどう行われるか

こうした場合、簡単に結論が出るわけではありません。

樹木医による診断

まず、樹木医による診断が行われるのが一般的です。

  • 幹の内部に空洞がないか(打診や機器による調査)
  • 腐朽がどこまで進んでいるか
  • 根の状態はどうか
  • 治療によって回復の見込みがあるか

保全の努力

診断の結果、まずは治療と保全が試みられます。支柱を立てる、枝を落として重心を下げる、土壌を改良する、周囲を立ち入り禁止にする。

伐採は、最後の手段です。

指定の解除

それでも危険が避けられないと判断されたとき、指定を解除したうえで伐採するという手続きが取られます。

これは行政的な手続きであると同時に、地域にとって重い決断です。何世代も守ってきた木を手放すということですから。

切株の上に立てた一枚板|木六竹八

伐られたあと、木はどうなるか

ここからが、私たちの仕事に関わる部分です。

伐採された木は、多くの場合、そのまま朽ちるに任せられるわけではありません。

  • 社殿や鳥居の修復材として使われる
  • お守りや神具に加工される
  • 記念碑として現地に残される
  • 材として、次の役目を与えられる

木の命を終わらせるのではなく、形を変えて続けさせる。これは日本の木の文化に深く根づいた考え方です。

弊社が扱う、樹齢1400年の杉

弊社が扱う材のなかに、熊本県八代の坂本村で千四百年立ち続けた杉があります。

百済の文献にも名を残したと伝えられる、地域の象徴でした。天然記念物として守られてきました。

しかし年月を経て老朽化が進み、倒木の危険に気づいた村の人々のあいだで、慎重に議論が重ねられました。そして安全を最優先に考えた結果、文化財保護法に基づいて登録を解除し、切り倒すことが決定されました。

伐採後、この杉は三十年の歳月をかけて乾燥させています。

この材を扱う責任

天然記念物だった木を材として扱うとき、私たちが意識しているのは、その木がここに至るまでの経緯です。

伐りたくて伐られた木ではありません。守りたかったけれど、守りきれなかった。その結果として、いま材としてここにある。

だからこそ、次にこの木を迎える方には、その経緯もお伝えします。樹種と寸法だけの話ではありません。

木六竹八は、7代にわたり木こりを生業としてきた家系です。受け継いできた名木を、次の世代へ渡していく。それが私たちの仕事です。

九州の森のなかに立てた一枚板|木六竹八

まとめ

  • 天然記念物は文化財保護法に基づく文化財。現状変更は原則として認められない
  • 例外は倒木の危険、台風被害、枯損など
  • 判断には樹木医の診断と、治療・保全の努力が先立つ
  • 伐採は最後の手段
  • 伐られた木は、形を変えて命を続けさせる
  • 弊社の樹齢1400年の杉は、この経緯を経た材です

この杉についてのお問い合わせを承っています。価格は状態と加工内容によるため「ASK」としています。遠慮なくお尋ねください。

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