木こり七代|山の木が一枚板の天板になるまで
2026.10.04
一枚板の天板は、店に並んだ状態で見れば、一枚の板です。
しかしそこに至るまでには、山に入るところから始まる、長い工程があります。しかもその工程の多くは、年単位、ときに数十年単位の時間を要します。
この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、木が天板になるまでの道のりを書きます。

七代にわたる仕事
木六竹八は、7代にわたり木こりを生業としてきた家系です。
七代。一代を30年と数えれば、200年を超える時間です。その間ずっと、この家は山に入り、木を見て、木を伐ってきました。
受け継いできた名木を、社会に、そして次の世代へ渡していく。それが私たちの使命だと考えています。
工程1|山を見る
すべては、山を見ることから始まります。
木は動きません。だから、こちらが見に行く。どんな場所に、どんな木が、どのように立っているか。
- 樹種は何か
- どれくらいの太さか
- 幹はまっすぐか、ねじれているか
- 斜面のどちら側で育ったか
- 周囲にどんな木があるか
この段階で、その木からどんな材が取れるかの見当をつけます。斜面で偏った力を受けて育った木には、杢が出ているかもしれない。密な林で上へ伸びた木は、節が少ないかもしれない。
工程2|伐る判断
ここがもっとも重い判断です。
樹齢数百年の木を伐るというのは、その木の時間を終わらせることでもあります。だから、伐る理由が要ります。
- 老朽化して倒木の危険がある
- 台風や落雷で損傷した
- 計画的に育てられ、用材として伐期を迎えた
- 開発や災害復旧でやむを得ない
弊社が扱う樹齢1400年の杉は、倒木の危険から、文化財保護法に基づいて天然記念物の登録を解除したうえで伐採された木です。伐りたくて伐ったわけではありません。
木の命を終わらせるのではなく、形を変えて続けさせる。そのための伐採です。
工程3|搬出
山の奥に立っている木を、どうやって出すか。
大径木は重量物です。重機が入らない場所であれば、道をつけるところから始まります。搬出のコストが、木の値段に直結するのはこのためです。
九州の山は急峻です。この工程が、いちばん体力を使います。

工程4|木取りと製材
丸太を、どう挽くか。これを木取り(きどり)といいます。
一本の丸太は一度しか挽けません。
- どの面を天板の表にするか
- 何cmの厚みで挽くか
- 芯を含めるか、外すか
- 何枚取るか
この判断で、その木の一生が決まります。厚く挽けば迫力は出るが、枚数は減り、乾燥に時間がかかる。薄く挽けば枚数は増えるが、天板としての存在感は落ちる。
挽いてみるまで分からないこともあります。製材の瞬間は、何度経験しても緊張します。
工程5|乾燥
そして、待ちます。
挽いた板は、桟を挟んで積み上げ、風を通しながら乾かします。製材の世界では板厚1インチ(約2.5cm)につき1年が自然乾燥の目安といわれます。
弊社が扱う材には、自然乾燥に20年以上かけたケヤキや、伐採後30年かけて乾かした杉があります。
二十年、三十年。その間、材は場所を占有し、管理の手間がかかり続けます。しかし、この時間を縮める方法はありません。
父の代が積んだ材を、子の代が使う。木を扱う仕事とは、そういうものです。
工程6|仕上げ、そしてお客様へ
乾燥を終えた材を、削り、磨き、仕上げる。ご希望があれば、寸法を合わせ、面を取り、塗装をする。
そして、お客様の家へ。
ここで終わりではありません。その天板は、これから何十年と使われ、削り直され、次の世代へ渡っていきます。木にとっては、まだ途中の話です。

自然との共生ということ
私たちは、自然との共生を大切にし、持続可能な未来を築くことを理念に掲げています。
山奥で自然に育った木も、職人や専門家の手で育てられた木も、どちらも扱います。どちらか一方だけでは、この仕事は続きません。
伐るだけでは山は痩せます。育てるだけでは、いまある名木は活かせません。両方を見続けることが、七代続いてきた理由なのだと思っています。
まとめ
- 一枚板になるまでには、山を見る・伐る判断・搬出・木取り・乾燥・仕上げという工程がある
- 乾燥だけで20年、30年かかることがある
- 木六竹八は7代にわたり木こりを生業としてきた家系
- 受け継いできた名木を、次の世代へ渡すことを事業の軸にしています
私たちが扱う材について、その木の来歴も含めてご説明できます。お気軽にお問い合わせください。お問い合わせには3営業日以内を目安にご返答しています。
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