オイル仕上げとウレタン仕上げの違い|一枚板の塗装の選び方
2026.09.22
一枚板を選ぶとき、樹種やサイズの次に決めることになるのが仕上げ(塗装)です。
同じ板でも、仕上げが変われば手触りも、見た目も、暮らしのなかでの扱い方も変わります。この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、代表的な2つの仕上げを比較します。

そもそも、なぜ塗装するのか
無塗装の木は、汚れや水分をそのまま吸い込みます。コーヒーをこぼせば染みになり、油が落ちればそこだけ色が変わります。
塗装の目的は、木を汚れと水分から守ること。そして同時に、木の表情を引き出すことです。
オイル仕上げとは
植物性のオイル(亜麻仁油、桐油など)を木に染み込ませる方法です。表面に膜を作るのではなく、木の内部に浸透して保護します。
長所
- 手触りが木そのもの。さらりとした質感が残る
- 濡れ色になり、木目や杢のコントラストが強く出る
- 部分補修ができる。傷ついた箇所だけサンドペーパーをかけてオイルを入れ直せる
- 呼吸を妨げないため、木の質感の変化を楽しめる
短所
- 水や汚れに弱い。水滴を放置すると輪染みになりやすい
- 定期的な塗り直しが必要(年1〜2回が目安)
- 熱い鍋などによる変色のリスクがある
ウレタン仕上げとは
ウレタン樹脂で表面に塗膜を作る方法です。木の上に透明な層を一枚かぶせるイメージです。
長所
- 耐水性・耐汚染性が高い。水滴や食べこぼしに強い
- メンテナンスがほぼ不要。日常は乾拭きと水拭きだけ
- 光沢の度合いを選べる(ツヤ消しから光沢まで)
短所
- 部分補修が難しい。深い傷が入ると、全面の再塗装が必要になることが多い
- 手触りがやや樹脂的になる。木肌に直接触れる感覚ではなくなる
- 経年で塗膜が劣化することがある
比較表
| 項目 | オイル仕上げ | ウレタン仕上げ |
|---|---|---|
| 手触り | 木そのもの。さらりとする | 塗膜の手触り。滑らか |
| 木目の見え方 | 濡れ色で深く出る | 落ち着いた見え方 |
| 水・汚れ | 弱い。すぐ拭く必要あり | 強い |
| 熱 | 変色しやすい | 比較的強いが鍋敷きは必須 |
| 日常の手入れ | 乾拭き中心 | 乾拭き・固く絞った水拭き |
| 定期メンテ | 年1〜2回の塗り直し | 基本的に不要 |
| 傷の補修 | 部分補修できる | 全面再塗装になりやすい |

暮らし方から選ぶ
オイル仕上げが向く方
- 木の質感をそのまま味わいたい
- 手入れをすること自体を楽しめる
- 傷や経年変化を「味」として受け入れられる
- 杢のある材で、その表情を最大限に引き出したい
ウレタン仕上げが向く方
- 小さなお子さんがいて、こぼすことが日常的にある
- 手入れの手間はできるだけ減らしたい
- 店舗のカウンターなど、業務で使う
- 水まわりに近い場所で使う
その他の仕上げ
拭き漆(ふきうるし)
漆を薄く塗っては拭き取る工程を繰り返す、日本の伝統的な仕上げです。深い艶と堅牢さが得られますが、手間と費用がかかります。
蜜蝋ワックス
蜜蝋を主成分としたワックスです。オイルより手軽に扱え、自然な艶が出ます。オイル仕上げの上から併用することもあります。

迷ったときの考え方
私たちがよくお伝えするのは、「この天板と、どういう関係を結びたいか」という問いです。
手をかけながら育てていきたいならオイル。道具として安心して使い倒したいならウレタン。どちらが優れているという話ではありません。
弊社では、材の性質とお使いになる環境をうかがったうえで、適した仕上げをご提案しています。加工をご希望の場合はご購入時にお伝えください。
まとめ
- オイルは質感重視・部分補修可・定期メンテ必要
- ウレタンは耐久重視・メンテ楽・部分補修は難しい
- 小さなお子さんや店舗利用ならウレタンが無難
- 杢を最大限に見せたいならオイル
仕上げについてのご相談も承っています。お気軽にお問い合わせください。お問い合わせには3営業日以内を目安にご返答しています。
あわせて読みたい:一枚板の手入れ方法