「杢(もく)」とは|玉杢・縮み杢・如鱗杢の見分け方
2026.09.21
一枚板のカタログを見ていると、「杢が出た一品」「玉杢の逸品」といった言葉に出会います。同じ樹種・同じ寸法でも、杢があるだけで評価が大きく変わる。それがこの言葉の重みです。
この記事では、熊本で九州各地の銘木を扱う木六竹八が、杢とは何か、どんな種類があるのかを整理します。

杢とは何か
木を挽いたときに現れる線の模様を「木目(もくめ)」といいます。年輪が切断面に出たものです。
これに対して杢(もく)は、年輪の並びだけでは説明できない、装飾的な模様のことを指します。光の当たる角度によって浮き上がって見えたり、立体的に波打って見えたりします。
ポイントは、杢は狙って作れないということです。木取りの工夫で出せるものではなく、その木がそう育ったから出る。だからこそ希少で、値が付きます。
板目・柾目と杢は別の話
混同されやすいので整理しておきます。
| 用語 | 何を指すか |
|---|---|
| 板目 | 丸太を年輪の接線方向に挽いたときの、山形・筍形の木目 |
| 柾目 | 年輪に直交する方向に挽いたときの、平行な直線の木目 |
| 杢 | 挽き方に関係なく現れる、装飾的な模様 |
板目・柾目はどう挽いたかの話、杢はその木がどう育ったかの話です。
代表的な杢の種類
玉杢(たまもく)
小さな玉が連なるように、丸い模様が散る杢です。ケヤキの玉杢は古くから最高級とされてきました。
丸い模様の一つひとつが浮き上がって見え、角度を変えると光り方が変わります。一枚板の面全体に玉杢が出ているものは、それだけで別格の扱いになります。
縮み杢(ちぢみもく)
面に対して垂直方向に、細かく波打つように見える杢です。繊維がうねりながら育つことで生まれます。
見る角度によって明暗が帯状に入れ替わり、布のような表情になります。ケヤキやカエデによく見られます。

如鱗杢(じょりんもく)
魚の鱗が重なるように見える杢です。ケヤキに現れることで知られ、非常に希少とされます。
牡丹杢(ぼたんもく)
牡丹の花が開いたような、大きく丸い模様が出る杢です。
中杢(なかもく)
板の中央に、左右対称に近い形で年輪の山が並ぶもの。スギの天板などで整った表情になります。厳密には木取りによって出る面もありますが、一枚板の見どころとして扱われます。
なぜ杢が生まれるのか
杢は、木の繊維が真っ直ぐ伸びずに、ねじれたりうねったりして育ったときに生まれます。
その原因としては、次のようなことが考えられています。
- 枝や根の付け根付近で繊維が複雑に絡む
- 風や斜面の影響で幹が偏った力を受け続ける
- 成長の過程で内部に応力が溜まる
つまり杢とは、その木が生きてきた環境の記録でもあります。まっすぐ素直に育った木には出ません。
一枚板を選ぶときの、杢の見方
写真だけでは判断しきれない
杢は光の当たり方で見え方が変わります。写真では平板に見えた板が、実物では驚くほど立体的に見えることがあります。逆もあります。
杢を重視するなら、実物を見ることを強くおすすめします。弊社では実物のご見学を承っています(商品によってはご用意にお時間をいただく場合があります)。
仕上げによって見え方が変わる
同じ板でも、オイル仕上げとウレタン仕上げでは杢の立ち方が変わります。一般にオイル仕上げのほうが濡れ色になり、杢のコントラストが強く出ます。
杢がなければ劣るわけではない
素直な木目の一枚板には、静かで端正な良さがあります。空間に強い個性を求めないのであれば、あえて杢の出ていない材を選ぶのも立派な選択です。

まとめ
- 杢は年輪の並びでは説明できない装飾的な模様
- 玉杢・縮み杢・如鱗杢・牡丹杢などの種類がある
- 繊維のねじれやうねりから生まれ、狙って作ることはできない
- 写真では伝わりにくいため、実物での確認をおすすめします
杢のある一枚板をお探しでしたら、ご希望をお伝えください。在庫の中から条件に合う材をご案内します。お問い合わせには3営業日以内を目安にご返答しています。
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